今回は相続税の申告義務について説明いたします。
遺産の総額が遺産に係る基礎控除額(3000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合(以下の表参照)、
納税すべき相続税の総額が0円である場合でも、
配偶者に対する相続税額の軽減(相続税法第19条の2)の規定の適用した場合は
相続税の申告が必要であるとされております。
 
また、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例等は、
相続税の申告が要件となっているため、
適用したことで相続税の納税額がなくなった場合でも申告が必要となります。
 
| 各種税額控除の種類 | 
 相続財産が遺産に係る基礎控除額 | 
| 
 以下 
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 超(税額なし) 
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| ① 贈与税額控除(19条) | 
 不要 
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 不要 
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| ② 配偶者の税額軽減(19条の2) | 
 要 
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| ③ 未成年者控除(19条の3) | 
 不要 
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| ④ 障害者控除(19条の4) | 
| ⑤ 相次相続控除(20条) | 
| ⑥ 外国税額控除(20条の2) | 
| ⑦ 小規模宅地等の特例計算 | 
 要 
 | 
 要 
 | 
         相続税の申告の要否について
※②、⑦については遺産分割協議書の写し等の提出が必要となりますので、
 申告期限までに分割がまとまらなかった場合は、
 未分割の状態で申告書を作成し、
 「申告期限後3年以内の分割見込書」を併せて提出する必要が
 ありますのでご注意ください。
 
なお、各種税額控除に関しましては、相続税法第27条1項において
「相続又は遺贈により財産を取得した者及び当該相続人に係る相続時精算課税適用者は、
当該被相続人からこれらの事由により財産を取得したすべての者に係る相続税の課税価格の合計額が
その遺産に係る基礎控除額を超える場合において、
その者に係る相続税の課税価格に係る第15条から第19条まで、
第19条の3から第20条の2まで及び第21条の14から第21条の18までの規定による相続税があるときは、
その相続の開始があったことを知った日の翌日から10月以内に課税価格、
相続税額その他財務省令で定める事項を記載した申告書を
納税地の所轄税務署長に提出しなければならない」と規定されています。
 
広島総合法律会計事務所